協会の活動状況・会員からの寄稿


大盛況だった新年会
多士済々のお客さんで250人超す
 今年の新年会は、大盛況で多分延べ250人を超す方々が参加。会場は熱気でムンムンでした。新年会前に開いたトークの会も70人以上が来られ、こちらも大成功で多くの方にお越しいただいたことを感謝しております。

 昨年は戦後70年にあたり、各メディアで70年論が展開されたものの、今後の日本と世界の展望については明るい話が少なく閉塞的でした。そんなこともあって、当協会の新年会でいろいろ意見交換したい方が多かったのではないかとも推測されます。

 新年会はいつものプレスセンターで2時から開かれ、ウズベク大使、中山恭子議員、ウズベクで日本兵捕虜のことを長年にわたって調べ、自らの敷地内に資料館を作ってくれているスルタノフ氏(72)と奥様、お孫さん、元抑留兵でご存命の方々、亡くなられた抑留兵のご家族の方々、小冊子「追憶 ナボイ建設の記録」に挿絵を描いて頂いた小林英三氏のご家族、帰国船を迎えた京都・舞鶴市の市長一行、ナボイ劇場建設の話をドラマや芝居、ドキュメンタリーにしたいという何人かの制作者の方々——など多士済々のお客さんと会員、一般の方々、在日ウズベク人などで満員でした。

 スルタノフ氏は、日本人の仕事ぶりに感銘を受けて、もう20年以上にわたり各地の収容所を訪れたりして集めた資料、遺品などの映像を見せてくれました。これらは貴重なものなのでDVDなどで保存することにしたそうです。スルタノフさんによれば、日本人の真面目な仕事ぶり、キメ細かい手先の器用な仕事、皆が力を合わせて協力する精神などにいつも感心し、心を打たれたといい、一緒に仕事をしていたウズベク人にいつしか教え、教え合うようになった。日本人はケガをしたり、お腹をすかせていると手当したり、そっと差し入れのパンなどをくれたりしたというエピソードも披露してくれました。昨年6月に突然亡くなられた大塚武さんが感電して気を失った時などは、ウズベクの女性が代わる代わる人工呼吸などをして蘇らせてくれた話などもしてくれ、聞いている日本人の涙を誘っていました。
 スルタノフさんは、駐ウズベク大使の加藤氏が表彰状を差し上げたことがきっかけで当協会が官邸などに日本招待を働きかけ実現したものでした。初の来日にスルタノフ氏ご夫妻と孫娘のリソラットさんは大喜びで、リソラットさんは新年会で素晴しいウズベクダンスを披露してくれました。

—舞鶴市長らも参加—
 また当協会のホームページや私が昨年9月末に出版した新著「日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた」(角川書店)を読んだ舞鶴市記念館の学芸員の長嶺氏もお見えになり、スルタノフ氏を24日に舞鶴市の記念館に案内されました。

 今回の新年会の盛り上がりは、安倍首相夫妻が昨年10月に中央アジア5ヵ国を訪問。なかでもウズベキスタン タシケントのヤッカサライ墓地や資料館を訪れ、スルタノフ氏と面会、日本への招待を約束してくれたことが大きなきっかけになったと思います。今回、合わせて舞鶴市訪問も実現しました。また、スルタノフ氏の話には多くのメディアも取材にきてくれました(NHKなどでインタビューが放映)。通訳を当協会理事でウズベクに昨秋帰国したジャスル君の弟分であるファヒリディン君が、見事に果たしてくれたことも非常嬉しかったです。



—書籍も好評—
 私の本は昨年9月末に発刊し、嬉しいことに1月に増刷となり電子版でも多く読まれているようです。単なる記録にせず小説風のノンフィクションスタイルで書き、日本人の仕事に対する精神、強力、団結力、永田行夫隊長のリーダーシップや支える将校の協力ぶり、ウズベクの人達の交流などを盛り込んだことが評判になったようで、主要大手紙、地方有力紙が次々と書評を書いてくれたせいか、アマゾンで毎月1〜10位に上がっていました。多くの方々の感想は順次私のホームページに掲載していますので、関心のある方は読んでみて下さい。

 またこの本を読んだ何人かのプロデューサーや演劇関係者が関心をもって下さり、TV、演劇などの可能性を探ってくれているようです。私たちとしては戦後70年で、シベリアの悲劇ばかりが大きく取り上げられているので今後も何とかして『シルクロードの日本人伝説』の話を広めていきたいと思っています。モノやハデな話ばかりが先行し、日本は何か地に足がついていない昨今で、国民も将来に不安を抱く人が増えている感じがするので、シベリア抑留時にひと味違ったロシア人、ウズベク人にも敬意をもたれた日本人の精神や人柄、協力の魂などの話を今後も広めてゆきたいものです。

 なお書店には在庫が少なくなりよく当協会に問い合わせがありますので、10冊以上まとめて注文頂く場合は、割引価格で送らせて頂くようにいたしました。ご希望の方は協会事務局までお問い合わせください(数量がかなり多い場合はご希望に添えない場合もありますので、その場合はご了承下さい)。

 また、本田財団が5月にタシケントでシンポジウム・公演会を予定しているようで日本から川口順子元外相ら約10人の学者、文化人が訪れることになっており、嶌も参加する予定です。


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NPO日本ウズベキスタン協会 会 長 嶌  信彦
2016年2月5日(新規掲載)

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