協会の活動状況・会員からの寄稿
SYMPOSIUM_6

アメリカ・イスラム・中国  新政権の日本外交を語る
9・11から5年——激動の国際情勢を多角的に分析


 小泉政権は「イラクの戦闘地域に行ったんじゃない」、また「そこで武力で仕事をするんじゃない。日本の役割は政権が安定してからの復興だ」と言っていましたけど、まだ日本独自の本当の出番がない。実際、アフガニスタンにしても、イラクにしても、復興する以前の“政権の安定”すら未だない。それでは行きたくでも行けないという気持ちなんでしょうが……。

酒井 イラクの人々が自衛隊にどこまで期待するかはさて置き、自衛隊のあとに続く日本企業が来てくれないことにはどうにもならない。イラク政府から見ればみれば、正直、アメリカ企業やヨーロッパ企業が来ても仕方ない。やはり日本企業に来てもらわないと、いい仕事は期待できない。そして、それを期待してずっと待っていたのですが、今は残念ながら期待すら消えてしまっているわけです。また、そういう意味では、日本の経済力すら生かせないほど酷い環境に置かれているとも言える。
 しかし、それでも私はまだ、線は残っていると思うんです。先ほども言いましたが、なんだかんだ言いながら、日本はイランとはパイプを持ってきていたわけです。そして今のイラクは、政権の半分以上が実はイランとの密接なパイプを持った人々です。だからこそアメリカは、イラン・イラク両国に手を焼いているわけです。すると、その手を焼いている部分に、日本がイランとのパイプを生かして入っていける要素がまだ残っているのではないかと期待しているわけです。


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2006年12月31日(掲載)
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