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【DigiCon6 ASIA】ウズベキスタン映像への期待
DigiCon6 ASIAは、15分以内の短編映像を競うコンテスト。内容も自由、誰もが応募できます。2000年から日本で始まり、2006年からアジアに拡大し、今年の第22回には、ラオスとモンゴルが新たに参加し、16の国・地域が参加するユニークな映像フェスティバルに成長してきました。若いクリエイターの才能を見いだし、映像を通じた相互理解を目的としたTBSの国際貢献CSR活動の一環です。(写真は第21回DigiCon6 ASIA授賞式(2019/11/30 香港・大館ホール))

去年11月には、第21回のアジア授賞式を初めて東京を離れて香港で開催しましたが、初参加のウズベキスタンの作品が話題をさらい、グランプリに次ぐ「ASIA Gold」に、Shokir Holikov監督の『TEA』が、またアジアの次世代を担うクリエイター「Next Generation」にAskaraliyeva Makhliyo監督の『The Gift』が選出されました。緊張感あふれる映像美は、ウズベキスタンの創造力を強く印象づけるもので、授賞式での2人の若手クリエイターの存在感は並々ならぬものがありました。

「TEA」は、寝たきりの老人が窓際に置かれたお茶を飲もうとする日常の一コマに、人の為に生きる普遍を込めた15分のドラマです。ウズベキスタンの風景の中に、アジア共通の価値観を折り込み、観る人の気持ちまでつかむ巧みな演技と構成が評価された作品でした。( https://youtu.be/W9dqXZ3bzEQ

どんな監督になりたいかと問われたShokir監督は、「私は私。他の監督のまねをしたいと思いません。夢はカンヌやオスカーです」と頼もしく、授賞式では、当日28歳の誕生日を迎えた彼に観客らが歌で祝う場面もありました。(写真はASIA Gold『TEA』賞状を受けるShokir監督(27)-右)

「The Gift」も、トラック運転手の夫が高級靴を妻に贈る顛末を描いたドラマで、無駄のない映像構成とストーリー展開が、若手とは思えない演出力として評価されました。授賞式の壇上では、こみあげる感動に涙を見せた監督。アジアから集まった他のクリエイターらとも交流を深めていました。(https://youtu.be/m362_Kfb4cM

中央アジアからDigiCon6 ASIAに彗星のごとく現れたウズベキスタン。受賞作品以外の応募作品も、映像への深い理解とレベルの高さを感じさせるものが多く、東西の文化が出会う地で培われてきた伝統を感じさせるものでした。

ウズベキスタンでのDigiCon6 ASIAの運営責任を負うオーガナイザーは、「ウズベキーノ」(映画庁)に委託しています。作品募集と公正な審査を行い、ウズベキスタンでの優秀作品を報告する役割を担っています。私たちをウズベキーノに紹介してくださったのが、「日本ウズベキスタン・シルクロード財団」マンスール代表理事で、2年ほど前の事でした。DigiCon6 ASIAの趣旨に賛同し、ウズベキスタンのクリエイターがアジアとつながるきっかけとなったのも、人と人の結びつきからでした。(写真はウズベキーノ(映画庁)(タシケント))

DigiCon6 ASIAは、自由な映像作品が集う場ですが、アニメーション作品が多く、実写作品の魅力を強くアピールしたウズベキスタンの存在は、第21回の大きな話題となりました。今年は、11月に東京でのアジア授賞式を予定していて、どんな作品が登場するのか、台風の目のような存在となったウズベキスタンの活躍が大いに期待されるところです。(写真はウズベキーノでの協議(2019/4/18))

(寄稿者)DigiCon6 ASIAゼネラルプロデューサー:大山 寛恭氏
2020年09月12日(写真差替,誤植訂正)

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