協会の活動状況・会員からの寄稿


「日本人の覚悟」に様々な提起
——200人が集中して聴き、拍手——

 「最高のシンポジウム。時々鳥肌がたつほどだった。」「物事を情緒や周囲の雰囲気に流されずリアルに多面的に考えるべきだと感じた。」——11月9日のシンポジウムには多くの高い評価と熱い拍手を頂いて本当に嬉しかったです。
 「これからの世界と日本人の覚悟」をテーマとした討論会には多勢の方が最後まで真剣に耳を傾けてくれました。田中均氏が国際情勢の大変化とポピュリズムに傾く日本の政治、日本人に警鐘を鳴らし、水野和夫氏はユーロ危機と今の世界不況は400〜500年間に一度の大転換機だと歴史的な由来を語る。川戸恵子、岸井成格氏はまだまだ日本の『決められない政治』の危機を指摘。金子秀敏氏は江沢民、胡錦涛時代の20年の本質と今後の案外脆い中国の10年を分析し、田中伸男氏はシェールガス革命と日本のエネルギー安保に対する貧困で底の浅い方針に危機感を訴えました。
 冷戦崩壊後、世界はグロ−バル化、IT化の時代に突入しましたが、そのことが実需に無関係な市場の暴走を生み、僅かな富裕層と多数の貧困層に社会を分断して混乱、アメリカ、中国の二極化時代でもないという意見が多かったです。
 会場からは10問以上の質問用紙がきて、しばしば拍手が出たり、リアルな権力闘争の話に耳をそばだてる姿が多く見られました。若い人がメモをとり、終始ほどよく張り詰めた空気が場内をおおい、パネリストたちも「面白かったし、話し甲斐があった」と語っていました。20世紀は資本主義・自由主義と社会主義の対立の時代、20世紀末にその冷戦が崩壊しグローバル化・IT化、新自由主義の時代が来たといわれましたが、いまやその歪みが大きくなりすぎたし、政治もメディアもポピュリズムに流される傾向が目にあまる。そんな中で、新時代は「ポピュリズムとリアリズムの対立」「環境と文化」「世界の課題のすべてを担う日本の政策のみせどころ」等々の提言が出され、『今後の日本と日本人が持つべき覚悟』に多くの示唆を残せたシンポジウムになったと自負しています。

● 各人の発言の要約は以下のとおりです。
・ 金子 秀敏氏
 中国は�小平氏が決めた、江沢民、胡錦涛時代が終結した。江・胡路線を巡る対立は激しかった。今後中国は人口減少時代に入り、社会不安も大きいだけに安定するかどうか見極めにくい。中国の対外的な激しい動きの背後にある危機もみるべきだ。
・ 川戸 恵子氏
 メディアが世論に重要な役割を果たすことは認識している。政治がきちんと伝えないので、最近は昼のワイドショーなどでもかなり詳しくわかりやすく報ずるようになった。民主党の中堅が今回の政権でどれだけ成長したか、国民も判断してほしい。
・ 岸井 成格氏
 これからの時代の価値、日本が進む方向は環境と文化だろう。毎日新聞は原発ゼロをめざす方向の編集方針をとるようにした。今回の選挙は多党化の中で、どんな政権になるか。国民は真剣に判断すべきだ。
・ 田中 伸男氏
 日本のエネルギー供給はきわめて不安定だ。原発は徐々にやめていくことはのぞましいと思うが、いますぐに自然エネルギーで穴埋めできない。火力発電もコストや中東危機を考えると不安。エネルギー問題は安全、安心とともに情緒論だけでなく現実も直視すべきだろう。
・ 田中 均氏
 世界は中心軸のない危ない時代に入っている。こんな時代はあらゆるネットワークを活用し、様々な側面から外交を考えるべきだ。今の日本はポピュリズム(大衆迎合)に流されすぎている、もっとリアリズムに徹して対応するようメディアも協力してほしい。
・ 水野 和夫氏
 今のユーロ危機は数百年単位でおこっている地殻変動ともいうべき事態だ。冷戦終結後の資本主義、新自由主義の危機とみてよいのではないか。新しい方向はまだみえていない。リーマンショックからの危機が続いている。住宅が回復するか否かがカギだ。
・ 嶌 信彦
 時代は大動乱の時代。だが今の日本にはこの危機を乗越る覚悟が備わっていない。幕末・明治時代、敗戦時の日本人は背水の陣の覚悟をもって時代に対処したから今日があるのではないか。
(報告者:嶌 信彦)
2012年12月22日(新規掲載)

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