協会の活動状況・会員からの寄稿
大成功だった「9.11シンポジウム」
大雨の中、200人参加


 当協会が、主催して9月6日に開催した「9.11事件から1年—中央アジアから世界と歴史を読み解く」シンポジウムは、皆様の暖かいご協力とご支援をいただき、大盛況のうちに無事終了することができました。あらためて感謝申し上げます。
 当日は、関東一帯に豪雨、大雨が一日中降り続き、一時的にJR山手線や、東京周辺の路線が不通になるなどの悪天候で、参加者が、大幅に減るのではないかと懸念していました。しかし、ご招待させていただいた方々を含め約200人が、お集まりくださり、会場は、満員になりました。そのうえ、パネリストの方々が、それぞれの現場体験などをふまえて、活発な意見交換をして下さり、生々しい情報や、目新しい分析視点を、それこそ国際情勢の変化と歴史的な視点から指摘して頂きました。

 このため、終了後に多くの参加者から、「新しい情報がたくさんあり役立った」「パネリストの方々が、それぞれ個性的で、異なった角度からの多様な意見を聞けて参考になった」 「テロ問題と国際情勢、パワーポリテックス、朝鮮半島問題、日本の役割などとの関係が、明確にわかり、非常に勉強になった」といった好意的な反応をいただいたうえ、「大雨なのに満員となった協会の動員力にびっくりした」などの感想まで受け取りました。

 討論会では「まだビンラディン、オマルは、生きていると思うし、カブール郊外に行くと、まだまだ安定した状況にあるとは考えにくい」「アルカイダは、外国からきた国際部隊と国内アフガニスタン人で構成されている。アフガニスタン人は、また農民、山岳人に戻ればわからないので、組織が壊滅することはあり得ないのではないか」「ウズベキスタンは紀元前からシルクロードの要衝の地であり、中央アジアの中でもっとも歴史と文化があり、知的水準も高い国だ。その意味で現代においても中央アジアのヘソであり、もしウズベキスタンが混乱すれば、中央アジアはガタガタになるだろう。」「ウズベキスタンほど中央アジアで親日的な国はない。しかも勤勉で真面目で日本人に似たところも多い。日本・ウズベキスタン関係が中央アジアや国際情勢に果たせる役割は非常に大きいと思う。」「いまやウズベキスタンは、アメリカだけでなく中国、ロシアにとっても、重要な位置にある国になってきた。しかしウズベキスタンは民族的独立意識が強いし、国内と周辺のイスラム原理主義の不穏な動きにも神経をとがらせているので、今後の外交政策は、かなり大変だろう。」「アメリカの“悪の枢軸”論に北朝鮮がはいっているのは、イラクとイランだけを対象にすると“イスラム対キリスト教文明”の対立になることを恐れたためではないか。儒教国の北朝鮮を入れることで、イスラムとの対決ではなく、テロとの対決だということを強調しているようにみえる。」「その視点からいうと、日朝首脳会談で、北朝鮮が平和的国家と言う印象を与えるようになると、アメリカの戦略に支障をきたそう。日朝首脳会談にアメリカの本心は案外、冷ややかなのではなかろうか。」「アメリカのイラク攻撃は90%以上の可能性であり得るだろう。ただ欧州や中東は、批判的だし、イギリス国民も70%が支持しないと聞く。日本は、無批判にアメリカに追随するのではなく、アドバイスすべきことは率直に言ったほうがよい。」「日本が本気で中央アジアのことを考えるならアフガニスタンの復興という気の遠くなるような、長い支援に協力し続ける決意が必要だ。アフガニスタンの新政権が崩壊したらまた中央アジアは不穏になる。アメリカなど先進国がどこまで支援を続けるか不透明で、最近はイラクに関心を集中させているだけに、日本の役割は大きいはずだ。」「日朝首脳会談は、今の北朝鮮事情を考えるとかなり譲歩してくるのではないか。相手の譲歩と日本の期待の落差が大きいと批判がでるだろうが、とにかく正常化への糸口ができれば、成功といっていいのではないか。」_____などなど、様々な意見が交わされました。

詳しい内容を知りたい方は、一ヵ月後ぐらいに全報告の小冊子を作りますので、当協会にお申し込みください。
最後に共催、後援をしてくださった国際交流基金、三菱商事、毎日新聞社の皆様に感謝申しあげます。
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