協会の活動状況・会員からの寄稿
ムラド君・ウミダさんの結婚セレモニー
(2002.11.18更新)
ムラド君結婚しました
ムラド君・ウミダさんの結婚セレモニー

その1(嫁入り支度・若者の披露宴・プロフ式)


ムラド君の結婚式への日本からの出席者一行10人は9月13日午後タシケント空港に降り立ちました。空港には、日本でお目にかかっていた懐かしい二人の留学生がにこやかに私達を迎えてくださいました。50人は乗れる大型バスが我々だけのために用意されており、これから5日間、シャフリゾーダさんとラフシャン君の案内で、翌日からは一緒に帰国したザリーナさんも加わって、ムラド君とウミダさんの結婚セレモニーのスケジュールがはじまるのでした。

到着した日の夕方は、花婿のムラド君の家で歓迎夕食会に招かれました。ムラド君の家の前にバスが着くと、門の前には、ご親戚の男性がずらっと並び、胸に手を当てて丁重に私達を迎えられ、玄関前では、ご親戚の女性達が、またずらっと並び歓迎を受けました。その晩は、ご親戚の皆様が集まってご準備くださった大ご馳走をいただき、その後、花嫁の立派なお嫁入りのお支度を拝見したり、二人のアルバムを見せていただいたりして、初日から大騒ぎの一時を過ごしました。花嫁のお支度は、過去に日本であったように、家具、寝具、食器類と大変立派なお嫁入り道具が新居に飾られ来客に披露されていました。特に私が驚いたのは、床から天井いっぱいに届くほどの寝具の山でした。これは、結婚する二人の一生分を花嫁が用意するのがウズベクの習慣だそうですが、一体これはこれからのどこにしまっておくのかしらと、狭い日本に住む私にはひどく心配になりました。その晩私達がホテルに戻ったのは、夜も大分更けていました。

翌日は、朝5時にホテルを出て、花嫁ウミダさんのお宅主催のプロフ式です。男性のみの出席が許されているとのことで、その時の様子は、主人の話から想像する以外はありませんでしたが、とにかく何かホールのようなレストランを借り切ったプロフ式の会場周辺は朝もまだ明けやらぬのに、すごい数の車と人で何事が起こったのかと思ったそうです。訳も判らぬうちに、主人は花婿側の主賓にすえられ、朝早くからプロフを大皿で頂き、立派なガウンを肩から掛けていただき、朝日の昇る頃、夢心地でホテルに戻ってまいりました。感想は「すごかった! すごかった!」の連発でした。

プロフ式に使われる羊肉は、特別の飼育をされた羊を、お祈りをしてから、神へのささげ物として「犠牲」にしたものだそうです。ムラド君のお宅では、今回は4頭の羊を「犠牲」にしたそうです。そのうち2頭はプロフ式に使っていただくように、ウミダさんのお宅に前もって届けられたそうです。他の2頭は、ムラド君のお宅主催のプロフ式に使われるのだそうです。特別に育てた美味しい羊肉とは、きれいな場所で特別の餌で育てられ、おしりには大きな脂の詰まったこぶを持っているものだそうです。そうして育てられた羊肉は、あまり臭いもなく美味しいものでしたが、おしりの脂に慣れるにはもう少し時間が必要でした。

14日には、二人は市役所で結婚届を出し、それから、若者達の祝宴がまた別のレストランを借り切って行われました。若者達の会はご遠慮するつもりでしたが、私達のバスがその会場近くを通りかかったので、その祝宴の席へ普段着のまま立ち寄ってしまいました。一人一人がお祝いの言葉を述べ終わると同時に、お腹の中までとどろき響き渡るボリュームいっぱいの音楽の演奏が始まりました。




誘われるままに、カメラを持って写真を撮っている主人を除き、全員が今ウズベクで流行っている曲に乗って踊ることになってしまいました。ウズベクの人たちは、お客を迎え入れるのがとっても上手です。初めて会った人々が、踊れない日本人を上手くリードし、私達はすっかり良い気分になって手を振り、足を踏み、腰まで振って、大汗をかいているのです。ものすごい音響の中で、お祝いのダンスをおどり、盛り上がった明るい若者の祝宴をあとにした私達は、明日の本番に備え、その日はゆっくりとホテルで休養をとることにしました。

翌日は、花婿ムラド君のお宅主催のプロフ式が、また別のレストランで行われます。この式には、特別に(これはウズベクでは考えられないことだそうですが)日本からの来たお客ということで女性も参加を許されました。しかし、それは、早めに端の方の席に座って静かにしている必要がありました。日本からの男性陣は、全てムラド君の後見人として、お祝いに訪れる方々をお迎えするため、ウズベクの方々と一緒に入口に一列に立ち、片手を胸に当て整列しておりました。朝も早く、夜が白々と明ける頃、お客様が次から次へと途切れなく集まってこられました。レストランの大広間の一角からは、民族楽器を使った、コーランを詠っているような民俗音楽が流れ、ウズベクの四角い帽子をかぶった男性が、ぞろぞろぞろぞろ入場してきます。いったいいくつのテーブルが用意されていたのでしょうか?


一塊のテーブル毎に人々が着席すると、流れ作業のように次から次へと大皿に盛られたプロフが運ばれてきます。テーブルでは、主だった方が大きなパンをちぎって全員に配ります。二人で一皿のプロフを向き合った人同士でそれを静かに召し上がっていきます。テーブル毎にひとしきりプロフを召し上がると、揃ってアラーの神に感謝をして(そう思われる仕草をして)、席を立ち静かに会場を後にします。お祝いの人々は、入れ替わり立ち代り続きました。その人数は、500人以上だったそうです(因みに、前日のプロフ式には1800人余のお客様が集まったそうです)。それから見物人の私たち女性も美味しいプロフいただき、会場を出ました。ちょうどその時、まさに明るい光が射す朝を迎えておりました。プロフ式開始頃のあの白々とした夜明けから、皆さんの祝福を一杯にいただき、見えられた方々にその感謝のプロフを配り終えたとき、丁度太陽が赤々と東の空に昇ってくるのです。

ウズベクの伝統的結婚の儀式プロフ式、これは、日の出の素晴らしい演出効果を備えた荘厳なお式であることを実感しました。私は、大自然の恵みの中に生きるウズベクの生活を知り、祝福されている二人の幸せを心から祈りました。
 
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